京都市内某所の寺院、その境内梅園に茶屋を新築する計画です。

計画地は樹木の多い広大な庭園であり、近くには既存の茶室・供待(休憩のためのベンチスペース)・便所が存在しています。まずはそれら既存の建物・植物の位置を正確に測量し、茶屋を置く位置を定めるところから設計をスタートしました。

既存茶室から新設する茶屋の中にまで真っ直ぐに土間を通しています。この土間は茶屋の内部では「通り庭」となり客席スペースと厨房スペースを分断します。客席スペースには膝の高さからなる二つの大窓を設け、目の前の梅園を通しはるか遠くの山々を眺めることができます。

計画地は文化財保護法において「史跡」に認定されており、容易には建設許可がおりないため、行政庁への申請作業は多岐にわたりました。役所協議は難航しながらも結果全ての許可を得ましたが、諸事情あり、工事着工直前に計画中断となりました。

 

計画年 :20182019
場所  :京都府京都市山科区
設計  :髙橋功治アトリエ
施工  :-
写真撮影:-